第4話「魔女の戦争」
「赤いガンダムのパイロット!お前が選ばれたヤツじゃないと証明してやる!」

4話のテーマは普通と特別。 普通のお母さん、普通じゃないお母さん。 普通のパイロット、特別なパイロット。 シュウジの特別とは、マチュの普通とは... 「普通」とはなにか、「特別」とは何か、そのギャップが浮き彫りになる話。
四☆連☆勝!
いきなりブッタ斬られるザク2機、一箇所に固まりMAV戦術すらおぼつかないので、マチュがイケイケなのをさっぴいでもあまり強くないクランなのかと思われる、チーム名はオーバーウェイト。 ジャンク屋に払い下げられてるザクは大なり小なりカスタムや補修がされていましたが、この2機は肩アーマーの色が違う程度なのでまだ参戦したばかりの初心者クランだったりして。
そんな状況を視聴してごきげんな中佐のスマホの裏にポメラニアンズのステッカーが貼っている、どこで売ってんのそれw
裏ルートを使っても足取りが追えない
これはアンキーの隠れ蓑上手さを暗に示しつつ、「旧友に会いに来た」というていにせよ速攻で赤いガンダムの手がかりを掴んだシイコさんの抜け目のなさを明示している。(きっかけは偶にせよ、ジークアクスのパイロットがマチュであることを見抜いた)
ゼクノヴァはサイコミュの共鳴説
なので赤いガンダムとジークアクスの接触に対して皆及び腰なのだが、そもそもソロモンで起きたゼクノヴァは誰と誰の共鳴だったのかという話。
片方はもちろん赤いガンダム、では相手は誰か。 当時真近くにいたサイコミュマシンはシャリア・ブルが乗っていたキケロガだけなので、報告上は赤いガンダムとキケロガの共鳴ということになっているはず(庵野プロットでも最初はこの二人の共鳴だった)
だが共鳴相手が自分でないことを、シャリア・ブル本人はわかっているはず、それが中佐の心にどう響いているのか...
なんでうれしそうなんだ?
と片眉を上げるコモリ少尉にフリクリ感があふれててすごい好き。 コモリ少尉にはもっとズケズケ言って欲しいw
ザビ家の戦争
なんやらかんやらでギレンもキシリアも死ななかったのがGQ世界線。 コロニーレーザーも使った風ではないのでデギンも生きてそうだが、この二人の一騎打ちになってるなら失脚している可能性は高い。
そこにたまたまシャア・アズナブル。 GQ世界においてシャアはジオン勝利の立役者でありジオン救国の英雄であり、ジオン・ズム・ダイクンの遺児でもある、もうカリスマEXくらいのことになってる。
そんな彼がもし生きてるのなら、ダイクン暗殺も明るみになり、ザビ家の天下は根底から覆ることになるだろう、そりゃ生かしておけない。
まるで魔王を倒した勇者が王様にハメられる、なろう小説のような事態だ... 私の妹がハンマーを投げつけてくるはずがない!
学生がやってるオンラインカジノ
タイムリーなネタだ...w これも今回のテーマ普通か特別かにかかる。 親のアカウントでオンライカジノで500ハイト(7万くらい)を稼ぐのは、フツーの女学生にはフツーじゃ味わえない特別なことだし、そういうフツーじゃないことを刺激として感じられる。
だが、MSに乗って違法クランバトルで敵機をなぎ倒してるマチュにとってはもうそれは普通のことと変わらない。 もう一般人と意識の乖離が始まっている、危ない、危なすぎる...
シュウジの目標は15万ハイト
中古のスペースグライダーざっくり2000万ほどか... さしもの赤いガンダムでも単機で地球に行くのは難しいらしい。 というかMSなんか持ってるとどうやってもお金なんか溜まりそうにないが、マジ維持費はどうなってるのか。
このスペースグライダー、真ん中の機体はヤシマ重工製のようで、78年製ならミライさんが操縦したことがあるというのもこのモデルなのかもしれない。
あと、このデザインラインの飛行機を庵野秀明展でみたよなあ...デザイナーは監督だろうか...w(こういうのカラーのTwitterアカウントが教えてくれるがw)
バレないと思った?
これがクランバトルのことであればワンチャンここでジークアクスの話は終われた。 が、そうではなかったのでこの先も続くのだった。
マチュが進路希望で書いたクラゲのメタファーは、ちょうど去年「夜のクラゲは泳げない」というアニメをみてると理解が捗ります。 クラゲというのは自分で泳ぐことが出来ず海の流れに乗って漂うそんな受け身の存在を、自分自身の虚無感のようだみている。
そんなクラゲ人生から、自分で泳ぐことを始めたわけだが...
不思議なシュウジ
普通のお母さんに失望してしまったマチュには、普通じゃないシュウジがより魅力的に見える「赤いガンダム盗んだかも」に対して「いいじゃん!」って返すあたり、ヤクザ崩れに憧れるヤンキーっぽさを感じる。(まあそのヤクザ崩れが刺す瞬間を見てしまうわけだが)
仕事ください
そんな普通じゃないことに憧れ、普通じゃなくなっていく普通の友人に食らいついていくために仕事を増やすことにするニャアン。 お金に関して友達に負い目を持ちたくない彼女なりのプライドか... 赤いガンダムに掛けられている懸賞金の話を持ちかけられたことで、ニャアンに作劇上アンチシュウジの役割が帯びてきましたね。
ハハッバカ犬w
このセリフの黒田ともよっぽさ好きw なにげに犬の扱いなれてるけど、昔飼ってたのかしらね。 ちなみにメッセージアプリでやりとりしてるジェジーに「バカ犬」と名付けてて酷いw
シイコ・スガイ
今回のゲストキャラクターシイコさん、彼女は今回限りになるため、ここでまとめてしまおう。
先週の予告で挙げられていた「ユニカム」とは関係者ではなく彼女本人だった、しかも子持ち人妻。 こんなモブっぽい見た目で情報と属性のテーマパークや...
彼女自身の動機や経歴は劇中で述べられてるとおりだが、シイコの本質は出撃した時の恍惚とした表情に現れている、そう戦場が忘れられなかったのだ。
「普通」に戻れなかった魔女、それが元ユニカム シイコ・スガイ
アンキーが「馬鹿な魔女」と言ったのも、マチュが「あの人には待ってる家族もいたのに」というのもそれを指している。
そして「特別」に固執し続けたシイナの最期を見ても、マチュは歩みを止めることが出来ない。
シイコの元マブ
赤い彗星に落とされたタイミングが気になるところですが、連邦側にもニュータイプの概念が広まっていたりするので、かなり終戦間際かと思う、かなり戦果も上げてたようだしソロモン泊地攻撃あたりでやられたか?
マブ戦術もかなり終盤で編み出されたものなので、広まったのは戦後と思っていたが、マブ(タッグ)の概念は当時からあったのかな。
シイコの事情に随分詳しいアンキーは、元連邦の人...? あるいは個人的なつながりのあった協力者か。 色々通じてそうだからなあ姐さん。
赤いガンダムのパイロットってどんな人?
あえてここで「赤い彗星」と言わなかった時点で、シイコには赤いガンダムがシャアでないことがわかっている。 なので「敵討ち」というのは建前なんだ。
旦那も子供も置き去りにし、元戦友の敵討ちという建前すら捨てて、「赤いガンダム」に挑む、そのためにイズマコロニーに来た。
マチュにとってこの問いかけは、自分がシュウジのことを何も知らない事実を突きつける。
ガンダムは薔薇を探している
ランチが寝床だと思ったら、コクピットで寝てた、というかガンダムごと寝てた。
シュウジの寝言でキーワードとは随分ご都合が...と思ったが、これって実はマチュの感応波にアルファサイコミュが反応して、シュウジの口からメッセージが流れたのではないか。
モビルスーツは喋らない、だが誰かを介して意思を示すことはできる...?
ここで言う薔薇とは、言うまでもなく「シャロンの薔薇」なのだが、ソロモン落としのところがまだテレビ未放送ではあるので、深くは触れられないw
gMS-01 ゲルググ
ジオンが奪ったガンダムをリバースエンジニアリングして作り上げた量産機、映画でも一瞬その姿は見えていたのですが、詳細はわからないままでしたがついに公開。
正史のゲルググとは似ても似つかないのにゲルググを名乗ってるのは違和感しかないのだけど、開発が頓挫されたMS-14の名前をこれにつけるのはジオニックの抵抗か、忌み名か。
gMS系は、ジオンガンダム系を示す型式番号。 赤いガンダムはgMS-αと改定され、ジークアクスはgMS-Ω。 ゲルググの形状や構成はジークアクスのそれとよく似ていて、ジオンガンダムとしてのスタイルがここで確立したというのが覗えます、逆に連邦ガンダムとはシルエットや胴体が四角いくらいしか共通点がなく(関節構造も違う)、幻となったMS-14の遺伝子はこの差異に残されてるのではと思うのですがどうでしょうか...
軽キャノンは正史ジムより強いんじゃないのーとは思ってましたが、それとは大違いと言われてしまってるので、性能面ではゲルググのほうが上なのかな。 よくソロモンまで押し返せたな連邦...
摩擦キャンセル技術
正史ではマグネットコーティングと呼ばれた技術。 確かにアムロがガンダムの追従性に要求を上げなければ必要とされなかったので、UC0085まで世に出ることがなかったとは... 開発者であるモスク・ハン博士も理論実証が出来ないままだったため連邦で干されてたのでしょう、少なくとも連邦側で開発しようという意志はなくなってるように思えます。
赤いガンダムもジークアクスも、非MC機であることから、シャアですらガンダムの性能限界まで引き出せていなかったか、はたまた必要とする敵がいなかったのか、アムロが後世に与えた影響の逆算された描写が面白い。
それにしても、サイコミュマシンはユニコーンくらい進んでるのに、一般兵器は一年戦争末期のゲルググがまだ現役だったり、マグネットコーティングが未完成だったりかなり停滞しているようです。 連邦が開発を諦めてるなら、ムーバブルフレームも完成していないでしょう。 宇宙世紀のMS開発史が大きく歪んでいく...!
DROMITORY SECURITY
今回の対戦相手CRYの親玉会社。 連邦の軽キャノンを使っていたり元連邦兵をパイロットに所属させてたり、連邦色が強い。 そんな警備会社がどうやってジオンの現役MSゲルググを調達できたのかはかなり疑問が残るところ。
誰かが横流しするにせよ、元々の必要性が低い。 普通ならシャリア・ブルを疑うところだがMC技術のことは把握してなかったので、モスク・ハン博士自身のコネクションか?
魔女の戦い方
索敵もハイドもせず、真っ直ぐ相手に向かっていくスタイル。 戦場では相手も射撃兵装持ってるから狙い撃たれそうだけど、普通に交わしそうだ、それってニュータイプの戦い方なのでは...
立体的なスイングバイ攻撃や、マグネットコーティング機を自在に操る反応速度など、モスク・ハン博士も指摘していたようにニュータイプ足り得るシイコでも、あくまでニュータイプとは彼女にとって忌むべき超えるべき敵。
だから相手のことをニュータイプと呼んでも、自分にその素養があることは認めない。
魔女のスティグマ
指先からアンカーを射出し、それを基点として急襲をかける必殺技。
本来MSの指先からは、接触回線用のアンカーが射出されるのですが、それを攻撃に利用している。 味方とつながるためのモノを敵への執着と形に変えた攻撃方法と考えると色々含みを感じるし、魔女の指先から放たれる呪いとも言えます(アンカーをガンドと呼んでたりして) 今回演出を担当された荒木哲郎氏は進撃の巨人の監督もしてたので、まるで立体機動装置の戦い方のようでもありましたw
急襲以外にも置きライフルで放出したライフルを回収したりなかなか芸が細かい。
しかし、エグザベくんはAMBACと思えない挙動(スティグマ)に驚いてたけど、MCとはいえ瞬間的に消えるほうがありえなくないかとw
ララ音
例の共鳴音に名前がついていた。 広域で聞こえるララ音は正史のソロモン泊地攻撃の時もそうでした。 これはニュータイプ同士の共鳴かアルファサイコミュが発している感応波か。
これに反応しているのはマチュやシャリア、エグザベくんなどニュータイプ以外にも小森少尉にも聞こえてるし、オペレーターの左の子も空を見上げてる。 彼らがニュータイプの素養がある人達なのでしょう。
3つ目のスティグマ
2連置きライフルで金縛りとか、もはややってることがオールレンジ攻撃ですよ。 サイコミュもインコムもなくても出来るんだそれ。
この必殺の間合ですら「動けなくなるぞ!」というエグザべくん、それ自体は避けられると思ってるのがやばい。
度重なる加重に腕が崩壊したゲルググだけど、ここまで指とアンカーが保ったことが地味にすごい、というかそのアンカーのワイヤー恐ろしく長いな...
望みは一つだけ
ここのシュウジの願いはわからないけど、シイコにとっては「なにか手に入れるために何かを捨てなきゃいけない、でもニュータイプだってそれは同じだった」ことが理解出来たので憑き物が落ちた。
シュウジがシイコを殺めたというより、赤いガンダムがシイコを執着から解き放ったと解釈したほうが良いかも。
ただのゲームなのに
このエグザべくんの「普通の感覚」はこのアニメにおいて極めて重要で、視聴者のそれに近い。 他のキャラの感覚で見るとこっちがおかしくなるw
またエグザべくんはこの作品において様々な対比になる要石のような存在で、彼を基点にしてどういう要素が対比に置かれているか見ていくと面白い。
マチュやニャアン、シイコとも対比になるポイントが置かれている。
そこまで踏み込まなきゃシュウジには届かない
よくマチュはカミーユほどは狂犬じゃないよとは言われるが、カミーユでもこの場に遭遇すれば「こんなところに来るから、死んじゃうんだろ!」くらいは言ってくれそうなのに、マチュは「あれくらいやんねえとシュウジに追いつけねえ~~」なので狂犬の方向性が違った。 誰かこの子止めてー。
次回「ニャアンはキラキラを知らない」
このタイトルをシャリア・ブル役の川田紳司さんがイケボで読み上げるのか...!
エグザべくんに事案が発生してたり、どう見てもガイアとオルテガが出てたり、情緒がぐっちゃぐっちゃだよお!
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