e-flick.net 機動戦士ガンダム水星の魔女

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第15話

父と子と

「俺と父さんをつなぐもの」

父と子と

取引の材料

生きていたボブ、やはりというかフォルドの夜明けに拾われる形で地球に連れてこられていた。 12話で撤収時にオルコットが注視していたデスルターは無人ではなかったのかな。 すでにソフィが死んでることが伝えられているので、クエタ襲撃から3週間ほどでしょうか。 ずっと便所で飯突っ込まれていたのか...


OPがちょっとかわった

光のシルエットだったエリクトが実像に。 前回のアンニュイな表情から一転、めちゃニコやか。


裏切り者

ノレアがニカだけでなくサビーナに対しても使ってるあたり、やはりシャディクガールズもアーシアンの工作員っぽい。 同胞ではと思うところだが、一応スペーシアンでもあるシャディクに着いてる時点でノレアにとっては裏切り者なのでしょう。

ニカの密告は未然で防がれたようで、ちょっとは漏れていたのか、隠れ家がやんわり特定されつつある。(通信の送信先地域かな?)

ただ今回の件は、虎の尾を踏んだのはフォルドの夜明け側だったりもするので、うん、まあ...


戦争シェアリング

今まで全容がよく見えていなかったこの世界の構造が、ようやく見えてきた。 そんな全面戦争やる風には見えてなかったし、現在は平和なのではと思ったら、そんな事はなく宇宙開発のための資金集めとして、意図的に紛争を起こし、兵器売買による利益を稼ぐシステムがスペーシアン企業でシェアされている。 まさに地球がリング、まさかこんなところでGガン要素。

こんなものベネリットグループだけでやってるわけでもなく、宇宙議会連合なども同じ口なのでしょう。 ほか何企業あるんだこれ... アナハイムが複数ある世界、地獄すぎる。

サリウスがシャディクの母親が「紛争エリアの」とも言ってるので、そういう区分も意図的にされてるのかもしれない。

ただこの構造自体が、戦争に疲弊したデリングにとっては「戦争を管理化に置くことで、犠牲者をコントロール」するものでもある。

ヴァナディース事変でガンダムが許されなかったのは、戦争兵器が人間から離れていくと同時に、コントロールを打ち崩す恐れがあるものだったから。 こりゃオックスアースは徹底的に潰されてるな...


シャディクの狙い

そんな一方的な利権構造を破壊し、アーシアン側も同等の開発リソースと戦力を持つことで、抑止力という形での膠着状態と利潤を生み出すという考え。 冷戦構造を作ろうっていう腹ですね。 ベネリットグループ一社でそれが賄えるかはわからんけど...

恨みで腹は膨れませんよ、からのシャディクの声のトーン変化が彼の真剣さを示しています。

しかしこういう利権構造の末に、ミオリネの服とか買い与えられていたわけで、パーティでプロスペラがかけていた圧に更に含みを感じるようでもありますね。


捜索隊

フォルドの夜明け捜索チーム、よく見ればハインドリーとザウォートのみで、ディランザがいない。 捜索隊に自社MSが出せないジェターク社内の混乱ぶりが伺えますね、意図的にグループ内から外されてるのかもしれないけど。

なお、フォルドの夜明けの隠れ家は加古川周辺だったため、このカットでは神戸、次の遠景カットでは大阪湾が入っています。 まさかガンダムで神戸空港や六甲アイランドを見るとは思わなかったわ、維持できてんのかあれ。

ただ謎いのは最初は神戸から西方向に進んでるのに、次のカットは大阪から神戸方向へ行くのかという(位置が巻き戻ってる)


企業が独断で動いちゃっていいんですかね

カテドラルはMS開発評議会預かりでありベネリットグループと関係性も深い組織だが、戦略的な面は本来カテドラルの判断を仰ぐ関係性。 頼りすぎるとカテドラルの影響力が上がるのと、実のところ戦争屋が出てきてしまうのを避けたい思惑も感じる。(やりすぎてしまう)


大脱出

避難民キャンプをカモフラージュしてるからか人数が多いし、輸送機などの機動力もしっかり確保していて侮れない。 ナジの様子を見るに本体というか同様のグループが他にも多くいるのでしょう。

輸送機が動いてる空港は、八尾空港かなあ... 関西近隣で滑走路がVの字になってるのはここくらい?

10話でセミが鳴いていたので7月頃かと予想していましたが、15話ではヒグラシが鳴いており、だいたい8月下旬~9月上旬頃なのが伺えます。(まだ暑いみたいな感じだったので9月?)


なんで父さんじゃなくて

クエタ襲撃で夜明け側の被害は、見える範囲だとプロスペラが一掃した陸戦隊と、スレッタが叩き潰した人であるが...


 

オルコット

本名リドリック・クルーヘル。 11話の登場時から存在感ありましたが(声が三上哲だし)、今回かなりスポットが当たりました。 元ドミニコスで真面目さ故に治安維持活動やりすぎたせいでアーシアンのテロで息子を失い、なんやかんやでそのアーシアンの傭兵のような事をやっている。

ある意味。ミオリネを失ったデリングのifと言えるかもしれない。 左腕が義手だというのもプロスペラとの対象?

彼の義手はGUNDではないのかなあ? 後うなじにつけている機械も気になるところです。

元エース部隊なだけあってMS操縦技術も卓越で状況判断能力も高い。 仲間の死の受け入れの速さや、助けられない子どもを置いていくなど情緒的な面が擦り切れてることも伺えます。

息子を失った彼が、父親を失ったグエルを導く流れでしょうか。 サブタイトルである父と子は、ここを意味してるように思いますね。


VS駐屯部隊

今回ガンダムは登場せず、ザウォートや量産機が工場跡地で戦うという、もはやアーマードコアのアニメ化ではという渋い戦闘でした。 こんだけ派手にドンパチしてガンプラ出てるのがザウォートヘビィとテックバランだけという商売っ気のなさよ。(ハインドリーは来月)

プロドロスはデススターのような流用品ではなく、別企業が開発したもののようだ、これはアーシアン企業?

だがビーム兵器は持てず、射撃兵装は直撃しても撃破には至らないなど、ハインドリーたちとは性能差があまりにも大きい。 しかもエアコンも効いていない。

先週ルブリスソーンのビームをコクピット部に受けた学生のMSが貫通されるまでしばらく耐久していたけど、プロドロスは一瞬で撃ち抜かれてしまっている。

なお、先に撃っちゃったジャリルが隠れていたのは新幹線の高架下で、その後に誘い込んだ工場跡地は神戸製鋼所のようです。


何がしたいんだ俺は

自分では理解できなくても、崩れる校舎の中、子どもを庇う動きをするし、助けを求める声で立ち上がり走る、グエルの善性がどうあるか端的に示している。 彼は根っからのヒーロー気質なのでしょう、案外とヴィムはそんな風体だったのかもしれん(グエル目線に限る)

ただかなしいかな、主人公補正がないまま主人公イベントを課されるグエルは進んでも、子どもは救えないし何も得られない。 だが彼は家族の絆を失わないために進み続けるしかない。


ベッシのプロドロス

あの距離と勢い吹き飛ばされて、中はミンチよりひどい事になってた(0080要素)のに、ほぼ完動するプロドロス案外と頑丈だな... この時のグエル、よく見るとタクティカルジャケットを着ていて、通信機も持っているので、上着もベッシのものを拝借したのでしょう。


どうしたらいいかなんて自分で考えるんだな

父親には何も考えるなとも言われたグエル、自分で考えて動く事を始める。

この世界は軌道エレベーターがあるようですね。 あれは設置できるポイントはほぼ決まってるので、この場所から近いのは恐らく00と同じくソロモン諸島やインドネシア付近でしょうか。

学園という温室内で物語が進行していた中、地球や世界のあり方が大きく描かれた15話、視界が切り開かれた思いです。

世界の現実を思い知ったグエルと、未だ母の庇護下から外を知らないスレッタとの対比が色濃くなってきました。 思えばスレッタとグエルは様々な要素が相対しています。

何もかもを失って、なお立ち上がった今がグエルのスタート。 まさにグエル・ジェターク・オリジン。

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ダリルバルデはバキバキに仕上げてるので、グエル復活に期待している。


教えてクワイエットゼロ

植物の生存戦略を人類にも適用できないか、というなかなか突っ込んだアイディアの持ち主だったノートレットさん。

植物の生存戦略、代表的なのはたんぽぽの種とか鳥に実を食わせて中の種を運ぶや、花粉もそうだし、究極侵略生物である竹などなどありますが、先週プロスペラが語ってた内容から察するに、冬虫夏草(菌だが)が近いのでは...いやまあ全く知らんヤバい植物をモデルにしてるとも思いますが。

そしてラジャンが最後に告げる「あなたはあなた」 縛ろうとするプロスペらとは真逆の言葉。 これを聞いたミオリネはどう判断するのか。


次週「罪過の輪」

突然のドスの利いたプロスペラ女史の声。 サブタイトルも不穏さ満載。


 

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